孫子(海音寺潮五郎)
- 作者: 海音寺潮五郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1974/02
- メディア: 文庫
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かの有名な「孫子」を書き記した男孫武と、彼の子孫である孫臏の二人を描く。
特徴的なのは、孫武が学者肌で世間暮らしをやたら厭う人物とされていたり、
孫臏が野良遊びをしているだけの不良青年から天賦の才に目覚めていく姿が描写されたり、
と作者の想像力が豊かに生かされているあたり。
いわゆる様式美的に、人口に膾炙されたエピソードを中心に持ってこないながら
心に残るシーンを描き出せるところにも、
歴史「小説」としての醍醐味を感じた。
まあでも本来僕自身は「死者に鞭打つ」「日暮れて途遠し」「臥薪嘗胆」といった
様式美的なシーンにこそ胸打たれるタイプではあるのだが。。。