亡国のイージス(福井晴敏)

亡国のイージス 上 (講談社文庫)

亡国のイージス 上 (講談社文庫)

アメリカに対抗する外交カードとして、自衛隊の全護衛艦をイージス化する計画が発動。
その第一号となった「いそかぜ」を舞台として、
化学兵器を持ち込んだ特殊部隊員、国家機関に暗殺された息子の仇討ちを狙う男、
そして「いそかぜ」に暮らす自衛隊員たちの激しい攻防戦が展開される。


素晴らしいのは伏線張りとその回収の手腕で、
序章三篇を読んだだけで構築力の高さが感じられるというもの。
展開は若干リアリティを欠くような所はあるにしても許容の範囲で、
平和な日本の真っ只中で戦場となった護衛艦内での人間ドラマをたっぷりと楽しめる。


そういや恋愛要素はあんまりないけど、男の友情みたいなのはやたら多い作品でもある。
今川泰宏ライクな感じの。
作者本人は∀の小説を書くほどの富野フリークだが・・・