終戦のローレライ(福井晴敏)

時に第二次世界大戦末期。
歴史の闇に葬られた秘密兵器「ローレライ」を巡る日米の暗闘と、
ローレライを搭載した潜水艦「伊507」乗組員達の戦いを描く。


実際福井氏は「機動戦士ガンダムUC」の原作を書くくらいの強度のガノタなのだが、
この作品は非常にガンダム臭が強く、経過から結末まで、正にど・ガンダム
世代論や理解論を包括して突き進む姿は様式美的ではあるものの、
亡国のイージス」で見られたソリッドさには乏しいのが正直なところ。


文体は硬い筆遣いながらも面白く、4巻読ませる出来なのは流石。
つまらないというよりは、大戦物というフォーマットでここまでガンダムが出来るのなら
いっそガンダムを書いてほしい、ということで「ガンダムUC」なり「∀ガンダム」につながるわけだ。