ライフ・イズ・ビューティフル

第二次世界大戦前夜のイタリア、そしてドイツを舞台にした、愛と奇跡の物語。

前半部分ではユダヤ系の主人公と奥様が結ばれるまで。
主人公グイドの明るい性格とウィット、イタリアの明るい自然に裏打ちされたハッピーな雰囲気が光る。
誰が見てもハッピーになれるラブ・コメディだろう。

後半部分ではユダヤ民族の収容所に入れられた主人公家族の物語が語られる。
ナチスの迫害という重い事実を朗らかな嘘で乗り越えていく力強さ、純真な息子ジョズエの姿が印象的。
その重々しさはやはり息苦しいものがあるのだが、それ故にこの作品を単純にハッピーなだけにとどめない
力強い人間賛歌に仕上げている。

全編を通して、もはや様式美という言葉では語りつくせないお約束的展開の数々が繰り広げられる。
時には気持ちよく裏切られたりしながら、娯楽作品としても、メッセージ性のある映画としてもハイレベルな仕上がり。
「人生は美しい」、その能天気なだけでない明るさが世界を変えるんだ。