ユニオンプロレス 1/3 後楽園ホール

元々は別の団体だったものを、DDTプロレスが復活させる形で運営しているユニオンプロレス
石川修司をエースに据える体制となって久しいが、ついに念願の後楽園ホール進出。
DDTから移籍してきた高木三四郎(DDT社長)の一存でチケットは全席2000円という価格に*1
その効果もあってか、超満員札止めを記録する大盛況だった。
経営的にはそれでも赤字らしい・・・

第一試合 伊東竜二入江茂弘(TKG48)vs諸橋晴也・妻木洋夫

いかにも第一試合的な、真っ当なプロレスの試合。
結果は伊東がドラゴンスプラッシュで妻木からピン。
入江はいつの間にあんなにでかくなり、説得力のある試合運びが出来るようになったんだろうか。
そしてモロの鍛え上げたボディはいつ見てもすごい。

第二試合 チェリー・松本浩代・大畠美咲vsブラックチェリー1号・2号・3号

チェリーチームは若い順に自己紹介。大畑「21歳!」松本「25歳!」チェリー「同世代!」
会場大ブーイング。
そしてブラックチェリーズは3号が「キューティーハニー」を歌いながら登場。
どう見てもさく○らえみ34歳です。ありがとうございました。


結果はチェリーがブラックチェリー2号*2を丸め込んで勝利。
ブラックチェリー1号*3にきつくあたるとブーイング、
チェリーが年齢を「(チームの中で)1番若い!」と宣うと当然のようにブーイング
チェリーチームが「萌え萌えニャン♪」などとやると何の迷いもなくブーイング
どっちがベビーでどっちがヒールなのか全くわからないが、ネタ試合としては楽しかった。
ちなみにチェリーの実年齢はうわなにをするやm


気がつけばみなみ飛香も16歳。12歳くらいの頃しか知らない僕は急成長した彼女を認識出来ませんでした。

第三試合(DDT EXTREAM選手権試合)キム・ナンプン<キャプテン、王者>・趙雲子龍曹彰with真琴姫vs木高イサミ<キャプテン、挑戦者>・矢野ケイタ・サバイバル飛田

キムナンプンは入場後「今何分?」「キム・ナンプン!」コールを煽る。
曰く「今日は大木金太郎先生vsニック・ボックウィンクル以来、51年ぶりの韓国人チャンピオンとしての試合」らしい。


結果はイサミがキム・ナンプンからピンフォールで早々に王座奪取。韓国に流出していたタイトルは無事戻ってきた。
飛田は開始数分で暴走し、敵味方問わず抑え込まれて即退場させられるというクオリティ。
イサミは初タイトルということで嬉しそうではあったが、正直あっさり取りすぎて伝わり辛いというか・・・
彼の初タイトルなら、もっと良い試合で取らせてあげてもいいんじゃないかなあとか。
ナンプンも普通に戦えそうな感じだったし。

第四試合 大家健復帰試合 大家健vs菊地毅

煽りVでは大家vs菊地がナチュラルに口喧嘩に発展する模様を追いながら、絶妙な編集で天丼をかましつづける。
膝の陥没骨折という重傷から復活し、肉体改造までしてきた大家につきつけられるルールは
パン食いデスマッチ」であった。


俺、パン食うんスか?体作ってきたのに?
「パンだけじゃねえ、正直喉につかえるから・・・牛乳が欲しいね。


試合はリング上空から無数に垂らされたパンに、二人の男がプロレスをしながら食らいつくという壮絶なものであった。
菊地のために用意された牛乳がぶちまけられ、「このリングマットおニューなのに!」とレフリー松井幸則が悶絶。
ついに裁ききれず、「試合ギブアップしていいですか?」といい始める始末。
会場は当然大音量の松井コール。
この間も二人は壮絶としか言いようがないパン食い対決をつづけている。当然二人ともパンを食べるのに手はつかってない


終盤手の使用が解禁され、菊地が2.5ブレッドを食べて1.5ブレッドの大家に勝利。
悶絶する大家を尻目に菊地はパンと牛乳を食いながら一言「うめえなあ。
今日も菊地無双でした。

休憩明け

ユニオンレギュラーメンバーオーディションの結果発表。
なぜか通過者にばってん多摩川がいて場内はブーイング。
スーザン・ナオミ代表から、通過直後でコーチが必要だろうということでコーチ発表。
登場したのはなんと大森隆男
726を呼び込み、「第二回アックスボンバーズ*4の結成だ!!」と5人で意気込んで終了。
そして会場に鳴り響く大音量のヒーロー〜Holding out for a Hero〜(麻倉未稀)。
♪愛は奇跡を信じる力よ♪

第五試合 富永真一郎デビュー戦 富永真一郎vsエル・ジェネリコ

映画「ガクセイプロレスラー」でも取り上げられた新鋭、富永真一郎のデビュー戦。
対するはROHの一流マスクマン、エル・ジェネリコ。


基本的には富永がジェネリコの技を受ける展開だったが、たまに見せる返しが変態すぎる。
その場飛び雪崩式フランケンシュタイナーってなんだよ。
ジェネリコの攻めも容赦なく、客煽りも安定感があって、デビュー戦とは思えない見応えのある試合だった。
最後はジェネリコお得意のコーナー・ブレーンバスターでフィニッシュ。
今後飯伏と何かと比較されるとは思うけど、頑張ってほしい。

セミファイナル 高木三四郎澤宗紀(TKG48)vs大家拳號・円華

本人よりも大家コールが大きいんじゃないかっていう大家拳號。
試合自体は普通に盛り上がり、最後は三四郎が円華をSHBでしとめて終了。


初代大家健が復帰したことで、「お前らはもう用済みだ」と切り捨てる三四郎
そこに颯爽と現れたのは矢郷さん。
「また高木三四郎の切り捨てか!」
「あんなインチキ商売の真似事を始めやがって」「TKG48の悪口はいいが、AKB48の悪口は許さん。前田敦子篠田麻里子に謝れ!」
といったやりとりの果てに、K-DOJOゆかりの三人で新ユニット結成を表明。

メインイベント 石川修司vs中西学(新日本プロレス)

煽りVから緊迫感あふれる展開。いつのまに大家はこんな漢臭いキャラに変貌していたのだろうか。


実際に並んでみると、上背では石川も負けていない。
だが体をぶつけ合ってみると、その厚み、重みの違いに弾き返され、弾き飛ばされる。
絶対的な「強さ」の表現。
今日の中西はまるで巌のように分厚く、硬く、高い壁だった。


試合はヘラクレスカッターで石川が敗れた。
おっきい体してんねんから、小さくまとまるなや。
あまりにもシンプルで、あまりにも強く、あまりにも格好いい、圧倒的な「格上」。
試合内容で見れば完敗以外の何物でもなかったが、この敗戦は石川をより大きくするだろう。
それはユニオンそのものを大きくすることでもある。


試合後に次は菊地さんが石川と戦うという煽りをやって興行は終了。
しかし菊地さんはTKG48入りでいいんだろうか?

終わりに

今回は2000円という値段もあって超満員札止めの入りだった。
この興行は良い興行だったと思うし、大満足だったし、倍の4000円で入っていても文句はなかった。
いやむしろそれでも満足。
このレポートに書きたいこと、伝えたいこともいっぱい拾い上げることができた。


だが、それは僕個人の話。
今回たまたまプロレス好きの人と知り合ったので彼と二人で行ったが、もし4000円だったら誘うのもためらったと思う。


本筋では興行の価値を高め、高くても来てもらえる興行を打つのが理想ではあるが、
現状では価格を下げて貰わないと、年に何回行くか行かないかのファンとしては他人を誘えない
それは即ちファン層の拡大、再生産が止まってしまうことを意味する。


良い興行、素晴らしい興行、語りたくなる興行。
そして「ファンが他人を巻き込める興行」。
今年プロレスだけでなく、多くのライブ興行を見て行く上で重要な指標になるのではないか。


そういう意味でも本興行はすごく良い興行で、松の内の終わりにもぴったりだった。
残念ながら「札止めでも赤字」という状況であるのが心苦しいが、今後とも何らかの形でつづけて欲しい。
そんな思いを抱いている。

*1:プロレスの一般的なチケット代は指定席だと6000〜4000なので、半額以下

*2:中の人はみなみ飛香

*3:中の人はりほ

*4:第一回は宮本裕向木高イサミ・726・田村和宏