Gacharic Spin@5/1 六本木Morph(夜)

Virgin-A

Virgin-A

Armmy(Vo)が見てるかどうか、というより、あれからいくつかライブが過ぎていった今となってこのレポを書く意味があるかどうか。
いや、あるのです。ライブの時間は一瞬ですが、語り合う限りその価値は無限に広がっていくのですから。
というわけで、実力派?テクニカル系ガールズロックバンド、Gacharic Spinのワンマン昼夜通し参戦、夜の部です。


夜公演もやはり、フルハウスの客入り。どれくらい入っているかというと、ライブスペースに人が入りきらず、
ロビーとライブスペースを区切るガラス越しに見ているお客さんがいる始末。
もうこの規模じゃ入りきれないんじゃないだろうか?
そう思うんだが、ロビーでまったりできるような会場でも、平日でもないのに、何故か「ひとしきり入場が終わった後に入ってくる」人が多いんだよなあ。
それってつまりアレなのかなあと思いつつある。

前半戦

1曲目、「マンピーのG★SPOT」(サザンオールスターズのカバー)でスタート。
個人的にはもう少し場が熱してきて、何をやってもまあみんな見逃してくれるだろうというあたりでやって欲しかったかな。
このワンマンライブシリーズ*1のテーマ曲ではあるけど、いきなりカバーってのもね。
まあ僕自身今まで分からないと思っていろいろやってたってことなんだけれども。。。


この日の昼公演にはなかった曲として、「向かい風」を披露。
これが解放感があってリフも程よく固く、叫びどころも明解で良い曲なんだが、ライブDVDでしか聞けない。
何故かこういう、「CDになってない定番曲」がやたら多いのがGacharic Spinの特徴でもある。
カバーはともかくとして、普通1曲あるかないかだからね。


アコースティックコーナーは「虹」。最前列の人々が座ったのにしたがって、何となくみんな座る。
この雰囲気がただでさえ苦手なArmmyは「さらに苦手な雰囲気になったわ〜」と苦笑い。
僕は座り方が微妙だったので足が痛くてしんどかったが、合唱パートはちゃんとこなした。


メッセージビデオコーナー、夜はそれほどジャパメタ色の強い面子はなく、

  • ザ・キャプテンズ
  • HYPER COREの人(Gacharic Spinのロゴデザインをした)
  • SHUSE(B、La'cryma Christi、44MAGNUM)
  • IKUO(B、FチョッパーKOGA(B)の師匠、「Broken Lover」の曲提供)
  • すく(FチョッパーKOGAの愛犬)
  • AYA、HARU(Midnight Pumpkin)

といった面々。
この後コラボタイムだから、昼も夜もミッパンのお二人のVで締めれば良かったんじゃないか。
足をさすって休憩してた僕が言えた義理じゃないけど、その辺Vの使い方が今ひとつというか。


関係ないけど、IKUOさんのインタビュー裏でDef Leppardの「Photograph」がかかってて、ちょっとテンションが上がった。
ティーブ・クラーク(G、R.I.P)ほどではないにしても、TOMO-ZO(G)も裏で主張するギターリフを弾ける点が素晴らしい。

MCから

はな(Dr)のMCコーナーから。
「このメンバーの中で私が一番女性っぽいと言われました」
「最初は嬉しかったのです」
「しかし、よく考えるとあまり嬉しくないということに気がつきました」
「女性っぽい、というか、女性だし。」
「ですが、本気を出せば、このメンバーの中であたしが一番SEXYだと思います。
彼女はSEXYっていうよりはエ○ロいって感じなんだよなあ。コブラの「レディ」とか、漫画版キャッツアイ的な。
要するに全身タイツってことなんだけどさ。
個人的には、ライブ中目線をそらしちゃうタイプです。


それはともかく、ビートのタフさやタムの回しぶりに関しては折り紙付きで、それもライブで聞いた方が数倍良い。
まあドラムの音がでかい分シャバいって感じもするけど、興味のある人はぜひ生で聞いてほしいドラマー。
誰の影響かは分からないが*2、ワンバス/ツインペダルという渋いセットを使っている。
というか、ツインペダルの教則DVDも出している。

ゼッタイ叩ける! ツインペダル超入門 [DVD]

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メタラー的にはツーバスの方が馴染みあるけどね。


「永遠の小学6年生」TOMO-ZOのMCコーナーから。
「昼はお母さんが見にきていたらしく、Armmyの中にちらちらとたかえの表情が!
そういや、「親の前でSEX"Y"をやっちゃったわ〜」と言ってたっけ。
しかしまあ、よく使われるねえ、たかえ*3ネタ。
ちなみにArmmy本人はたかえネタのツッコミに対して「たかえに言っておくわ★」と返していた。
そう、あくまでも彼女は「Armmyのそっくりさん」です。
言うなればケンドー・カシン石澤常光のような関係です。
ちなみに「SEXYじゃなかったころのArmmy」というのはまた別枠で存在しています。

後半戦

Midnight Pumpkinとのコラボタイムから後半戦。
ていうかまあ、前回は端の方にいて見えなかった面なのか、最近のことなのかは分からないが、
中央部は完全にモッシュピットと化している。
似合わないバンドじゃないし、別段サークルを作り始めたり、WODに発展したりするわけじゃないけどね。
まあ人が増えて動き出すと、自然とモッシュピットっぽくなってるあの感じ。
そんなわけで、ライブ中目を閉じたら、前方に向かって思いっきり吹っ飛ばされて気がついたら2列目にいた。
いやいや、おかげさまでライブ終わりのハイタッチ*4にも参加できましたよ。


一気に本割を抜けてアンコールでは、被災地に向けた応援ソングである「Alive〜がんばれ!日本!〜」を。
こういうテーマを湿っぽくない、カラッとしたロックチューンで表現してくれるのっていいよね。
まあ、実際被災地に行ったら「虹」の方がしっくりくる状況ではあったが・・・


あとまあ、アンコール中、多分「ハンティングサマー」の時だと思うんだけれど、Armmyが客席に突入してた。
僕は上手で彼女が下手だったんでかなり距離はあったが、さすがにびっくり。
後々、近隣にいた方がツイートしてたところによれば、昼も似たようなことはやっていたそうだが、
実際の所*5柵に乗っていたらしい。
で、ツイートしてた方は柵が倒れないように押さえてて、肩車してるような状態だったそうな。
これは無茶苦茶ですよ。
個人的に、Armmyはよく言えば生真面目、悪く言えば一本調子なライブマスターで、
今までに積み重ねてきたものがパフォーマンスへストレートに反映されている「だけ」と捉えていたが、
彼女の中に眠る「ライブバカのとしての天性」を垣間見た思いだった。
素晴らしい。
メロン記念日無きあと、「ライブバカ」のフレーズをまた引っ張り出すとは思わなかったですよ。


あとまあ、関係ないけど、TOMO-ZOがステージ中央でギターソロをやってるのを見るのはたまらないものがある。
そうなんですよ、「ギターヒーローはステージの真ん中に出て行ってソロを弾く」んですよ。
彼女は女性だからギターヒロインだけど。
弦楽器隊のフォーメーション、特にネックの角度の統一感*6といい、
何でだか知らんけど、メタルくさいパフォーマンスが多い。
「お、分かってるねー」というより「何でそんなこと分かってるんだよ」という、良い意味での老獪さを感じてならない面。

終わりに

古賀先生が語るに、「Virgin-A」に関して、全国に特典DVDをつけたいが、「私たちの力不足で」DVDがつけられないそう。
予約が多ければそれだけDVDをつけられるようになるので、ぜひ予約して買ってほしい、と。


昨今、インディーズ、同人、自主制作、という形でCDを製作するバンドは多い。
メジャー流通の作品に参加したので、「商業音楽で申し訳ないですが・・・」と付け加えて紹介する人がいるくらい。
インターネットを利用すれば、既に個人レベルでもかなりの売上を出せる時代であり、またそういう人間に対して、お金を払う顧客が多数いる。
ネットには地域格差もなく、Ustreamなどを利用すれば、簡単にライブ中継が出来る時代でもある。


そういう時代にあって、Gacharic Spinのやり方はちょっと古くさい。
全国どさ回りのライブスケジュール。CDを置いてもらうためにCD屋を巡って挨拶回り。チケット一枚に直筆サインカードをつける。
からしたら、ただでさえ多くは無いはずのリソースの無駄とさえ感じられる。


そもそも、彼女らが見ている夢が現代的でないのだ。
「もっと売れたい」「CDをもっとたくさんの店に置いてほしい」
「ギャルバンと言われてガチャピンと即言われるような存在になりたい」「全国区になりたい」
こういう夢はもう、古いんだと思うんだよ。


だが、彼女達*7はヒリつくほどに夢の実現を求めている。
他のバンドは「インディーズバンドのCDなんてCDショップに置いてくれない」とか、
「地方に行ったら私たちの知名度なんて全然ない」とかいわない。


何がそこまで彼女を駆り立てているのかは、分からない。
だがそのヒリつくような熱と痛みは良くわかる。
僕も、同じだったから。


古くさい夢で、いいじゃないか。
いずれそれが現実になり、それが別れになるとしても、いいじゃないか。
今この時、一瞬といわないまでも、限られたこの時間。
同じ夢を見たい。
同じ夢を見よう。
そう思える相手に出会ったんだから。


帰りがけ、TOMO-ZOが物販にいた。
元々僕は3枚出ているシングルを1枚ずつ物販で買う予定だったので、自然に立ち寄る。
ちなみにこの公演がその「最終日」だった。
良くわからないが向こうから手を出してくれたんで、普通に握手してからCDを買った。
「早くこのCDが、みんなにも手に取ってもらえるようになってほしいね。
 ・・・それが夢だからさ。」*8
TOMO-ZO「頑張ります!」
「うん。頑張ろう♪」
ここが終わりになるかもしれない、という想定だけはずっとしていた。
だが、そんな予感もしていなかったし、やっぱり、ここは終わりにならなかった。


俺たちの戦いはこれからだ。

おまけ

えーと、ホントはこの前に古賀先生と握手しているのですが、
3日から仙台に帰省するよって話をしたら微妙な反応をされるというしょんぼりなすべり方をしてしまい、
「煮てよしッ!焼いてよしッ!でも握手は苦手。」
な自分の特性を図らずも再認識させられる結果になってしまいました。
ちなみに5/3からGacharic Spinのレコ発ツアーが関西で始まるため、「来てください」とも言えなかったんだと思う。
きっとそうだよ(何かから目を背けながら


ついでにその後、物販が先のお客さんの対応待ちになっていたのでその辺にある品物を眺めながら待機していたら、
KOGA「良かったら何かいかがですか?」
KOGA「(もうマフラータオルは買ってあるのを見つけて)あ、もうタオル買われてるじゃないですか。完璧ですね!」
とりあえず「そうそうそう・・・」とごまかしておいたけども、
この日この方風邪ひいて声も絶え絶えだったはずなのに、この商魂逞しさ


ちなみに風邪を移されたようで、今日も微熱がおさまりません。
売れたら絶対そーいうキャラでいじり倒してやるーと思いました。
お後がよろしいようで。

おまけ2

ライブ終了後に「LosT AngeL」のPVを流していたのだが、そこで一部有志が集まってのモッシュ大会がスタート。
ここにもおるわ・・・
何の得にもならん事に命をかけるライブバカが・・・!


というか、一部メロンヲタがガッチャマンとなり紛れ込んでいるという事実を把握しました。
そういう認識で頑張ります。。。

*1:「マンピンのP★SPOT」ガッチャマンガチャピン子のパワースポットという意味らしい

*2:個人的には樋口宗孝(Dr、LOUDNESS、R.I.P)ではないかと思っている

*3:Armmyの世を忍ぶ仮の名前

*4:FチョッパーKOGAの場合、何故かロックアップしてくれる

*5:それ以上は動かなかったので、僕もそう予想はしていたけれど

*6:シンボルとも言うべき鋼鉄神のものを見たときは震えた

*7:少なくとも、このバンドの精神性の根源であるFチョッパーKOGAは

*8:こんなにすらっと言えてないです。現実は噛みまくり